債権者の気持ち【管理組合】
債権者はお隣さん近所さん
非常に少数ではありますが競売を申し立てた債権者が該当マンションの管理組合という場合があります。
実は築後5年以上経過したマンションで管理費及び修繕積立金を滞納している人が一人もいない割合は半分以下(20%というデータもあります)ですから、もっと管理組合が申し立てた競売が多くても不思議ではないのですが、その理由の一つとして債権者はお隣さんや隣近所、つまり同じマンションに住む住民であるという事です。
これは隣近所だから穏便にというわけではなくて、金融機関のように日常業務として競売申し立てしている部署があるわけでもなく、素人一般人の住民が集まってできた組合だという理由があります。
お金と手間が結構掛かる
競売を申し立てて管理費、修繕積立金の回収を図ると行っても口でいうほど簡単な話では有りません。
自分で申し立てるにしても予納金など60万円はかかりますし(最終的に債務者負担ですから落札代金から優先的に充当されますが)、弁護士に頼むとするとそれ以上の費用がかかってしまいます。
マンションにもよりますが3年間滞納して100万とか150万円の滞納ですから、素早く競売申し立てるわけには行かない事情もあると思います。
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管理費、修繕積立金は税金の次に優先して払うべき
マンションを住宅ローンを組んで購入したのであれば金融機関は購入価格と資産価値とのバランスに問題がないかとかも含めて審査して、担保を設定してなおかつ保証協会の保証をつけて融資していますので100%回収できなくならないように融資しています。
しかし管理組合はそもそも住民の集まりですから金貸しのプロではなく、同じマンションという資産を共有する人です。
1世帯の管理費や修繕積立金の未納世帯が居るだけで役員も苦労しますし、余計な出費は増えますし何よりマンション全体の資産価値が下落します。
それは単に未納世帯が多いから価値が落ちるとかいう話でなくて、管理費や修繕積立金の未納が嵩むことによって必要十分なメンテナンスができなくなってしまって、痛みや老朽化が進行して資産価値が広がるという切実な話です。
管理組合の中には当初決めた金額では十分な維持管理が出来ないということで値上げを組合員に提示しているマンションもあるそうですけど、見ず知らずの世帯が同じ資産を共有するというのは難しい話だと思います。
しかし管理費や修繕積立金の滞納は主従世帯から多ければ数百世帯に迷惑をかけることになりますので、住宅ローンの返済よりも優先して払うべきだと考えます。
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